塗料の水性化と膜厚計
塗装のダメージは人間でいう老化と同じで、ダメージを除去して塗装を若返らせるエステのようなもの、それが「研磨」です。しかし、「研磨」は単に磨けばいいというわけではなく、磨き過ぎれば膜厚の極端な減少によって塗装は逆に弱くなるリスクがあります。
更に近年の塗装は、水性塗料への移行によって薄膜化しており、20年前の塗装と比べるとおよそ半分近くになっています。200ミクロン以上あった塗装が、今では100ミクロン前後しかない車も多くなっており、研磨の前に塗装の膜厚を知っておかなくてはいけません。
SIでは膜厚計を使用し、目では見えない塗装の膜厚を正確に測定。過去に過剰な研磨処理によって極端に塗装が減っている部分がないかチェックしています。
また、膜厚計を使用すれば、経年車の修理箇所なども特定することができるので、研磨処理によるトラブルを回避することができます。
研磨効率主義と特殊ライト
数工程ある研磨工程のポリッシャー、バフ、コンパウンドの組み合わせの正解とは何なのでしょうか。塗装のダメージレベル、塗装の硬度や耐スリ傷性に合わせて、最大限ダメージを除去しながら研磨による研磨傷は極力つけない。
その選定の正解を、SIは時間で考えます。
時間をかけるということは、丁寧と言えばそれが美徳のように思われるかもしれません。しかし、その費用を負担するのはお客様であり、塗装も研磨によって膜厚を減らし過ぎている可能性があります。できる限り短時間で塗装に負担をかけず塗装を最大限若返らせる、これが「研磨効率主義」というSIの理想とする研磨です。
その研磨効率主義においてもう一つ重要なのがライトです。塗装面上の傷を完全に見えるようにしなくては、本当の綺麗な仕上がりには到達しません。SIではカーディテイリング専用の高演色LEDライトを頭に装着するスタイルを確立。
他にも置き型の高演色LEDライト、メタルハライドランプを使用し、通常では見えないような微小な傷も可視化しながら研磨処理を行います。
20年以上研鑽し続けている研磨技術
SIの作業場に見学に来た他店のカーディテイラーに一番驚かれるのが、バフとコンパウンドの多さです。2005年にSIに就職してからの3年間は、最低限のバフとコンパウンドで研磨し続けていました。
理由は一つ。同じ物を使い続けることにより、塗装の硬度や特徴を感じられるようにするためです。ポリッシャーの回転スピードや加圧だけを駆使することで、より感覚が研ぎ澄まされるようになりました。そこから新しいバフやコンパウンドを色々と試していくと、よりその製品の特徴が感じられるようになり、選定スピードが早くなっていきました。
20年前から現在までの研磨工程は全て記録しています。あらゆるメーカーの研磨工程を記録したものであり、この中で高評価だった組み合わせも数か月したら違う組み合わせに変えます。なぜなら同じ工程の繰り返しでは、現状維持はできても成長はできないからです。
SI独自のアフターメンテナンス制度
再生研磨で美観を復元した後は、その美観を維持するためにコーティングを施工するのがおすすめです。なぜなら、高品質で高性能なプロ専用のコーティングは勿論ですが、再生研磨の高い技術力の他に有名なのがコーティング施工後の「アフターメンテナンス制度」だからです。
コーティング施工は、お客様にとってゴールではなくスタートです。ここからようやく、エスアイとお客様との本当のコミュニケーションが始まると考えています。施工すれば終わりではなく、お客様のお車をベストな状態でキープするために、プロの技術を駆使してお手伝いをさせていただく、それがアフターメンテナンス制度です。
再生研磨でダメージをリセットし、コーティングで保護、アフターメンテナンスで美観維持。単に綺麗にするだけではなく、これからの美観維持もSIにお任せください。